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DickEY SinG

社会の狭間のノモスの探求

ソフトバンクからMVNO(楽天モバイル)への乗り換えを手順と用語の解説をまじえて説明する

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最近、MVNOという言葉を聞く機会が増えてないだろうか。簡単に言えば、スマホを安く使えますよ、っていうサービスのこと。このエントリーで、その仕組みとやり方をわかりやすく解説していく。

MVNOとは何か?

MVNOは大手キャリアのネットワークを借りている企業

とっつきにくい名称である、MVNO。和訳すると「仮想移動体通信事業者」ということになるが、余計とっつきにくい名称だ。わかりやすく考えるため、単語ごとに分割してリスト化してみよう。

  • ・仮想 自らネットワーク通信網を持たない
  • ・移動体 スマホ・携帯電話
  • ・通信事業者 企業(ドコモau、ソフトバンクなど)

どうやら「仮想」ということが大手キャリアとMVNOを分けている要素のよう。

 

ドコモauソフトバンクなどの大手キャリアはそれぞれ独自のネットワークを日本中に張り巡らしている。ソフトバンクの回線は繋がりにくいといった風聞が流れるのもそのため。新興企業であるソフトバンクはネットワークの構築が他と遅れていたのだ(それも相当改善されているが)。

 

大手キャリアは我々のような一般人が見たら、店舗を運営しているようにしか見えない。しかし、大手キャリアの本質は「ネットワークを張り巡らしている」企業であり、店舗はその入り口に過ぎない。

 

大手キャリアの本質はわかったが、ではMVNOとはどういう企業だろう?

他社が建てた「電柱を借りている」企業、といったらわかりやすいのかもしれない。自前でネットワークを構築せず、他社が作ったネットワークを借りて運営しているのがMVNOの本質と言える。

なぜ安い?

MVNOは大手キャリアと比べても格段に安い傾向がある。それがMVNOたる所以であり、そうでないと意味がないのだが、そのようにできるにはそれだけの理由がある。この章ではその理由を解説していく。

通話料金が使う分だけの使用料金制

次の表を見て欲しい。

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大手キャリアのソフトバンクの料金体系だが、総額で12,000円という高額設定。iPhoneの契約ではこれだけ高いのが普通だが、androidでも大抵1万円前後と大して変わらない。私はソフトバンクで5GBの契約をしていたが、自宅でという制限はあるものの動画も見放題のJ:COMより圧倒的に高いのである。なぜここまで高くなるのだろうか?請求書の内訳をわかりやすくするためリストにしてみた。

  • ・機種代金 スマホ本体の料金           3,575円
  • ・基本料  通話料金(電話回線使用料)      2,700円
  • ・通信料  通信料金(ネット回線使用料)     5,000円
  • ・オプション (ソフトバンク独自サービス使用料) 2,344円

機種代金やオプションサービスはともかく、基本料と通信料がやたら高額。何しろ通信料が楽天モバイルの2倍(楽天モバイルの料金体系は後述)。比較することすらおかしいと思われる。なぜこのようなことになるかは後述の「大手が利益を独占している」を見れば理解できる。

 

基本料金も高い。大手キャリアは通話し放題というのがメリットだ。それに比してMVNOの楽天モバイルでは30秒に10円の通話料金がかかる。大手キャリアの通話定額2700円分ともなると、一ヶ月で2.2時間、毎日5分以上の通話をするなら通話定額が優位といえよう。

 

一見して大手キャリアの方がお得だ。

 

しかし、今やコミュニケーションの手段はLINEなどのSNSに移っていることを忘れてはならない。10年前ならお得だろうが、今の時代には通話定額はとてつもなく割高なのだ。

 

なお、楽天モバイルには5分以内の通話料を月々850円定額にするオプションサービスがある。こちらの方が大手キャリアのサービスより実用的かもしれない。

品質が大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)ほどではない

これは私はあまり実感がわかなかった。通信速度が遅いのではないか?っていう時もあったが、あくまでちょっと疑問に思う程度。電車の中でネットを見たりする程度なら全く問題はないだろう。

 

しかし、MVNOはあくまで電柱を借りている会社。回線に不安を覚えるのは仕方ないことだ。災害時は大手キャリアですら通信障害が発生する。MVNOでは復旧が後回しにされかねないという不安もあるのだが、これにはMVNOの大手IIJの方がインタビューに答えている。

 

IIJ堂前氏に聞く「震災時におけるMVNOの実力」 - ケータイ Watch Watch

 

曰く、「携帯キャリアと同等のものを提供する」契約なので、差別的な扱いを受けることはないとのこと。大企業とはとかく信頼性を重視するもので、この契約を違えることはないように思われる。ただ、スマホごとにつながりやすさに差があるので、そこは注意する必要はある。

大手キャリアが利益を独占している

MVNOとは格安でスマホが使えるサービスなのだが、ここで逆の視点・発想で物事を考えてみよう。大手キャリアが割高でMVNOが普通なのではないか、という視点だ。この発想の正しさは大手キャリアのIR情報を確認すれば一目両全であった。

 

2015年の大手キャリアの営業利益率を見てみよう。

  • ・ドコモ    17.3
  • ・au        15.5%
  • ・ソフトバンク 10.9%

ピンとこない方が多いのかもしれない。このような数字だけ書き連ねられても、いささかも良いのか悪いのかわからない。比較対象がないからだが、イオンの利益率が2.0%だと理解しやすいだろう。大手キャリアはとんでもなく高い利益率なのだ。

 

なぜこんな利益率が高いのか、という疑問も出てくる。その答えは三田紀房原作の銀のアンカーに載っている。競争相手が少ないほど価格競争が起こらず、割高になってしまうという競争原理の法則。わずか3社というテレビ局より少ない寡占体質は、価格競争においてどのような結果をもたらすかはおのずとしれるものだ。

 

大手キャリアにはそれ相応の言い分がある。ネット回線は今やインフラで、なくてはならないもの。価格競争が起こると品質や保守管理にもダメージがくるのは避けられない。道路や鉄道に堅実な運営が求められるのにネット回線に価格競争を強いるのはフェアではないという意見だ。さらにインフラの開発に店舗運営費などに膨大なコストがかかる。割高になるのはやむおえないし、MVNOと比較するのはおかしいのではないのか。MVNOの話になるととかく大手キャリアの利益率が話題になるので、異なった視点からの意見を載せたが、どう捉えるかは読者ひとりひとりに一任したい。

楽天モバイルはこんなにも安い

私が選んだMVNOは楽天モバイル。知名度がある上に店舗もMVNOにしては多く、なにより値段設定がお得なのが選んだ理由。

 

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ここで楽天モバイルの料金体系をリスト化してみよう。

  • 機種代金 HUAWEI P9Amazonでの購入)50,000円 2年払い換算で月々2,000円
  • 通話料金 30秒で10円の使用量制
  • 通信料金 10GB 2980円
  • オプションサービス 公衆WiFi 362円

合算すれば月々5,000円程度といったところか。ソフトバンクでは10,000円ほどの値段がするのだが、5,000円ほど安くなったのは正直驚嘆した。その内訳を少し見てみよう。なお、通話料金が使用量制で不安を感じるが、その点は後述する。

 

端末料金はスマホによっては月々1,000円ほど購入できるのでさらに安くできる。HUAWEIP9は高性能スマホだが、ネット閲覧のみならそこまでのものは必要ないだろう。ちなみに一括払いの方が、分割払いより5,000円ほど安い。

 

通話料金は30秒で10円の通話料金が発生する。基本的に定額制は存在しないが、オプションサービスで5分以内の通話なら月々850円定額の「楽天でんわ」が存在する。通話料金はかなり割高だが、今やコミュニケーションの手段はLINEなどのSNSに移っている。多くて11,000円ほどではなかろうか。

 

大手キャリアととりわけ差別化されているのが通信料金。ソフトバンクの通信料金は5GB5,000円。楽天モバイルでは使える通信量が増えて料金もお得(+5GB,-2,000円)なのだ。これだけでもMVNOを選ぶ価値があるだろう。

 

なお、スマホ本体だけはAmazonでの購入。そちらの方が5,000円ほど安かったからだ。iPhoneに匹敵する性能を誇るHUAWEP9は決して安物ではない。中華スマホのいいものはすでに日本のスマホより優れている。

知っておきたい用語

MNP予約番号は電話番号を移行するためのコード

MNPとは「事業者間ポータビリティ」のことを示す。簡単に言えばドコモからソフトバンクに乗り換えても電話番号をそのまま使えるシステムということ。

 

MNP予約番号とは乗り換えるのに必要な12桁の番号のことだ。

解約の電話をかけると自動的に案内され、取得することになる。

SIMカードは電話番号を記録した通信チップ

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スマホの乗り換えの際で必ず聞くのがSIMカード。と聞いてもピンとこない方も多いはず。

 

SIMカードとは「通信するためのチップ」のこと。SIMとかカードとか難しく考える必要はなく、モデムだと考えればわかりやすい。そして、SIMカードが差し込まれていないスマホは存在しないと考えて差し障りない。モデムがないPCがインターネットを利用できないのと同様に。SIMカードを介することで、電話をしたり、ネットに繋いだりといったネットワークを使えるようになるのだ。

 

ちなみにWiFiSIMカードを飛び越えて通信できるシステムで、私はSIMカードがないiPhone6でゲームをしたりしている。

格安スマホとMVNOの違いって?

よく聞かれる質問が、「格安スマホとMVNOの違いってなんなの?」というもの。けれど、そもそも比較すべきものではない。MVNO格安スマホを運営する会社そのもののことを示し、格安スマホはただ単に値段が安いスマホ(またはSIMカード、通信サービス)のことを示しているにすぎない。しいて言えば、MVNOが提供しているのが格安スマホと捉えることもできる。

 

ひと昔前までは格安スマホという言葉が頻繁に聞かれたが、最近はあまり聞かなくなっていないだろうか。格安スマホというと型落ち品などのマイナスイメージがあるので使わないようになっているのだろう。

楽天モバイルへの乗り換えを解説する

いざ乗り換えるとなると踏ん切りがつかないというのが人というもの。どのような障害が待っているか不安で手を出しづらいが、この章ではどのようにして行えばいいか解説していく。

なお、MVNOのいいところであるが、実店舗に行く必要がなく、スマホの購入から契約の完了までオンラインでできる。今回はオンラインでの乗り換えを紹介する。

蛇足だが、乗り換えによって電話が使えなくなる期間はないので安心してほしい。

ソフトバンク→楽天モバイル

1.スマホの購入(今持っているスマホを使いたい、MVNO申し込み時に買いたい方は見る必要なし)

スマホの購入は申し込み時にキャリアから購入するのが一般的だが、Amazonなどの通販から購入することをオススメする。 

 

価格が安いというのがオススメする理由。私が使っているHUAWEIP9楽天モバイルで55,000円での販売だったが、amazonでは50,000円で売っていた。

楽天モバイル: P9lite

ただ、楽天モバイルはまれにキャンペーンを展開しており、10,000円ほどお手頃になっていることもあるので注意。キャンペーンなどのイベントがある時以外は、通販サイトを覗いてみるのも良いだろう。時として安くできるチャンスがある。見逃す手はない。

2.電話一本で、解約とMNP予約番号取得

MVNOの申し込みの前に行わなければならないのが、解約とMNP予約番号の取得。解約となると実店舗へ赴かなければならないと思われるが、実際は電話一本で可能。電話を扱う会社ということはある。

 

解約の電話を入れると、その時にMNP予約番号の案内をされる。その案内に従っていくとMNP予約番号を電話から伝えられるので安心してほしい。間違っても解約だけされるということはないはずだ。また、解約はこの時点ではしておらず、電話番号を移し替えてから解約が完了することに注意。

 

各キャリアでの解約案内の電話番号をリスト化した。それぞれのキャリアの番号に電話をすれば解約を案内される。

 

  • ・ドコモ     151
  • ・au       0077-75470
  • ・ソフトバンク  *5533
3.MVNOに申し込み

MNP予約番号を取得するとすぐさまMVNOに申し込みしよう。1週間以内にしないと取り消しになるので、早い方が良い。オプションサービスやアクセサリーなどもすすめられるが自分にとって必要なものを選択しよう。不必要なものは無視すべきだ。

 

ここで重要なことだが、SIMカードにもタイプが存在する。ネットだけできるデータSIM、ネット回線で電話ができる050データSIM、電話回線で電話ができる通話SIMの3種類だ。

  • ・データSIM     ネットのみ
  • ・050データSIM ネット回線での電話+ネット
  • ・通話SIM      電話回線で電話+ネット

050データSIMでも電話はできるが品質が悪く、110番が繋がらないという致命的なデメリットがある。ここは通話SIMを選択すべきだろう。

 4.SIMカードが到着

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申し込みが完了してだいたい3日後、宅配便でSIMカードが届く。あとはスマホにSIMカードを差し込み、説明書に沿って操作すると契約完了となる。

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連絡先の移し替えとアプリの乗り換えは簡単だ。Googleを利用しているのなら数分もかからずできる。手動で地道に入力するような努力をしないようにしよう。

mobareco.jp

 終わりに

大手キャリアからMVNOへの移行は拍子抜けするほど容易だった。今回はソフトバンクと楽天モバイルで試したが、大まかな手順はどこの企業でも同じ。もし、乗り換えしたいと思うならこのエントリーを参考に試してみよう。さほど困難はないはずだ。

信用がないと思われているMVNOだが、信用ある企業が運営していることが多い。企業とはとかく信用を重んじるものなので、何かあった場合の保証もあると思ってよいだろう。一抹の不安にとらわれて時代に乗り遅れる、ということがないようにしたいものだ。