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DickEY SinG

社会の狭間のノモスの探求

商売上手な訪問販売員。あやうく新聞購読させられそうになった話。

NOTE

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商売上手な人ってうらやましい限りですが、先日そんな商売上手な人に出くわしました。

それも私にその商売テクニックを披露してきたので、ちょっとご紹介したいと思います。

部屋の隣は無骨な階段

アパートの角部屋が私の一室だが、すぐ脇に階段があって宅配が来るとすぐわかる。

「一段飛ばしで駆け上がっているのか?」と思うほど、階段を登る音が実にやかましいのだ。

ボロいアパートなので、私の部屋が揺れるので止めてほしいのだが、私が注文した品物を運んでくれるのでそこは我慢。

仕事に追われているのが手に取るようにわかるからだ。

それに対して、隣人の階段を駆け上がる音って静かで慌てる感じがない。

隣人はおそらく学生。ゆったりしてていいねとしみじみ思う。

「あと4年の幸せだよ。」と影で思いながら、学生と社会人の違いをひしひしと感じるのだった。

突然の来訪者現る

昨日の夜中19時ほどに事件は起こる。

またドカドカドカって階段を駆け上がる音がしたのだが、私の中に出現してきた感情は「あれ?おかしいな?」という疑問。

ここしばらくはアマゾンを使っておらず、来訪者などいるはずがないからだ。

「アマゾンの宅配は頼んでないのに・・・。隣人か?」、と思い終わるのと同時にドアホンが鳴る。

ドアを開けるとそこにいたのは、笑顔が素敵な営業マン。

ネクタイの緩みっぷりがいかに慌てていたのがわかる、20代半ばの色黒の小柄な男性だった。

「こんにちは!アサヒです!!」

(アサヒってどこのアサヒだよ・・・。そんなガス・電気・水道・運送会社あったか?)

そう思いつつ、適当に受け答え。ちょうど料理中だった私は早く切り上げたかったのだ。

「入居してどれくらい経ちますか?」

「ここって道に迷いやすいですよねー。」

などなど、当たり障りのない世間話。

なんでもその営業マン、新人さんなようで管轄がここになって大変ということ。確かにこの辺は道が入り組んでわかりづらく、私も引っ越してきた当初は駅までの道のりがさっぱりだった。ちょっと共感したぞ、営業マン!!

そして話を切り出される。流れはスムーズで違和感なく引き込まれていく私。完全に営業マンの術中にはまってしまっていた。

「チケット無料キャンペーンをしておりまして、この中からどれか一つ選んでもらっていただければ!あっ、でも一番人気の〇〇だけは売り切れてしまったんですよー、ごめんなさい!」

話がやけにうまいのだが、急いでいた私はパッと食いつく。

「私はその〇〇が欲しかったんだがな」と思ったが、他のチケットもかなり魅力的。すぐ食指を伸ばしてこれがほしいといってしまったのだ。

そしたらその営業マン、どこからともなくバインダーを取り出し、さっと私にペンを渡す。

「ここに指名と住所を記入してくださいねー。」

パッと見るとそれは契約書。バインダーのハサミの部分に隠れて見えずらかったが、紛れもなく契約書だった。それも新聞購読の。

「アサヒって朝日新聞のことだったのかよ!」

もちろん、新聞を取る意思などなく、宗教系の〇〇新聞をすでに取っているということにして、丁寧に断りました。

訪問販売員には宗教を持ち出せばスゴスゴ引き上げるという法則があるのは本当らしく、素直に引き上がってくださいました。

終わりに

てっきり挨拶まわりでもしているのかと思ったけど、立派な営業だったんだね。

チケットの勧誘と見せかけて実は新聞購読とは詐欺なのだと思うが、そうでもしないと今の時代、誰も購読しないのだろう。新聞勧誘もなかなか大変な仕事だ。

ただ、一番人気なチケットはすでに売り切れ、って言うことはこの戦略、けっこう奏功したんだな。なかなかやるなこの営業マン。この様子では地域ナンバーワンは間違いないであろう。

営業の心得もわきまえており、足でドアを挟んだりせずに引き際を知っていたので少し感心した。新聞販売員といったら強引な営業で有名なのだが、この点は好感が持てるので密かにエールを送りたい。

営業マンが帰ってから10分後に隣人帰宅。やはりコンコンコンと階段をゆったりと登っており、やっぱり学生と社会人は違うなって感じた私だった。